この夏も、これを実施してみることにみました。
目次
珍しく日本のドラマも観てみたシリーズ
このシリーズも始めてからなんと４年目になりました！
普段は海外や韓国のドラマばかりを観てしまう私が、年に２本を厳選して日本のドラマを鑑賞。いつも真夏になぜか観たくなるので、その時に他のドラマファンの方からオススメ作品を伺ったり、自分で気になった作品を決めて鑑賞して感想を書いています。
今年もソーシャルメディアや日常で話題になった日本のドラマについてゆるーくアンテナを張りながら「今観るべき作品」を探っていたところ、急遽鑑賞作品を変えたりなどもありましたが(笑)、無事2作品ともを観終えることができましたので、今年もすさまじい暑さだった夏の思い出と共に(笑)、レビューを書いていきたいと思います♪
というわけで、最初の作品はこちら！
「東京サラダボウル」
あらすじ等はこちら
この作品は今年の1月にNHKで放送された連続ドラマです。原作は漫画でもともと結構人気だったのかな？
主演は奈緒という女優さんと、松田龍平。W主演ですね。
私は松田龍平は知っていましたが、すみません、奈緒さんはこの作品を観るまで知りませんでした。
放送当時から「面白い」という評判を見かけたり、私は音楽方面からこの作品を知って気になっていたので、この作品は結構早くからこの「観てみた」シリーズの候補でした。
で、作品を観始めてみて、
「こういう作品が日本のドラマでもあるんだ！」ととても嬉しくなった作品でした！
どういうところで嬉しくなったか、感想を書いていきたいと思います♪
※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、結末をお知りになりたくない方はご注意下さい。
この作品、私は最初に何で知ったかというと
このドラマの主題歌をBalming Tigerという韓国のアーティストグループ（バンドでもないか）が手掛けているというところからでした。
韓国のインディーシーンで活躍しているBalming Tigerが日本のドラマの主題歌って「面白いな」と思って、それから内容を知ったみたいな感じでした。
で、評判も良さそうだったのでこの観てみたシリーズ用に鑑賞をとっておいたみたいな感じでした(笑)。
このドラマの舞台は主に新宿で、主人公のこの緑の頭の女の子は東新宿署の国際捜査係の警察官という設定。「え？この頭で？」という感じですが、こういう設定、私は嫌いでないタイプなので(笑)。なによりとても似合ってますよね。
で、「松田龍平もなのかな」と思ったら、彼は警視庁・通訳センターの中国語通訳人という設定で。
そこで私、「あ、そうか」と初めてこういう警察での通訳人の仕事について初めて意識しました。確かに「警察官だから」といって外国語ができるというわけでは当たり前ですけど全くないわけなので、「なるほど面白いな」と思いました。
新宿や新大久保あたりに行くと、その多国籍感に驚いたり、元気になったり、ドキドキしたり。もちろん東京はそこだけはなく、もはや東京だけでなく、日本には様々な国の人が住んでいて、生活しています。
東京都の外国人人口は2024年時点で約64万人だそうです。東京の人口割合でいうと約5%。増加傾向にあるということで、ドラマ内では「人種のサラダボウル」と表現されていました。
そこで犯罪やトラブルに巻き込まれたり、意図せず犯罪者になってしまったり。そういった人たちに対してどう向き合うか。その社会問題を描いたドラマとして
私はすごく楽しめました！
同じ街の中にあるいろいろな場所のリアル
まず面白かったのが、本当に新宿や新大久保みたいな場所でリアルに撮ってる感じ。
実際に多国籍な場所の感じがすごく伝わる街並みの使い方と、主人公の鴻田麻里が務める東新宿警察署の古びた警察のムードはなんとなく地続きなのですが、通訳の有木野がいる通訳センターのオフィスはキレイで無機質。「あ、そういう感じなんだ」と。新宿に限らずかもですが「たぶんこれがリアルなんだろうな」と。
同じ街でそう変わらない距離にある場所のにその雰囲気のギャップがあるのが、「街のサラダボウル感」も表していて面白かったです。
元は警察官だったところから、事情があって通訳センターに移った有木野の心情も表すような通訳センターの無機質なキレイさも、不思議とドラマで活きていたと思います。
新宿や新大久保は私も行ったことがある場所なのですが、行ったことがない人にも感覚で伝わるような描き方になっていたと思います。東京に限らず、こういう多国籍な場所や土地って大きくも小さくもありますよね。「あ、ここらへんの感じに近いのかな」とか、そういうイメージがしやすいように作られていると思いました。
各エピソードの多様さ
このドラマは、鴻田と有木野の過去の話が入ってなぜ彼らが今の職業についたのかという描写がありつつも、やっぱりメインはその東京に住む外国人が犯罪に巻き込まれたり、手を染めてしまうエピソードが私は面白くて。
1話の中国人の女の子の失踪の話も、ベタといえばベタだけど丁寧に描いていて、１話から「いいドラマだな」と思いました。
それでいて、トーンはそんなに派手でもなく、地味すぎでもなく、すごく抑えているけどしっかりとアクション的な画面の躍動感とかもあり。
地味でまじめすぎると重くなりすぎたり、つまらなくなっちゃうと思いますが、そんなこともなくドラマのテンポも良くて、面白く観れました。
第３話と第４話は「赤ちゃんとバインミー」という、なかなかなインパクトのあるタイトルで、いきなり前後編になって。
なんと赤ちゃんが誘拐されるという結構ヘビーな内容なのですが、驚いたのが赤ちゃんの父が借金のカタに自分の戸籍を売るというエピソードが出てきて。で犯罪組織に赤ちゃんを誘拐されて、その裏に人身売買の影も見えるという。これも「嘘だろう」ではなく「なんか有り得そう」という感じで。
多国籍な役者と演技
この3、4話を観た方なら気になった方も多いと思うのですが、この話で出てくるのが
この「お父さん」役の張 翰（チャン ハン）。彼の役柄の背景が分かってくるとなんとも言えない気持ちになりました。この張 翰は「牯嶺街少年殺人事件」という名作映画がデビューの役者さんだそうで、この「東京サラダボウル」でもとてもいい演技で印象に残りました。
この３，４話に限らず、このドラマは在留外国人の役について、「できるだけその役の出身地の役者を採用しようとしているのかな」と思いました。
それって簡単そうでいて、意外と難しいと思います。このドラマで出てくる他の国の人は１つや２つじゃなく。中国、台湾、ベトナムなどそのエピソード毎に役者を集める。ずっとドラマに出てくる役ではないので、その回ごとに探すのって結構大変そう。でも、どの回も私には違和感なく、リアルに感じました。どの役者さんもとても良かったです。
私が印象に残ったエピソードは第５話「ティエンと進」という介護施設の話。
他のエピソードに比べると殺人や誘拐などといった大きな出来事ではないかもしれないですが、一番身近であり得そうなすれ違いや差別の表れ方を描いたエピソードで、私的に一番肌感覚で問題点やどう乗り越えるかを考えるのに良い物語でした。
結構説教のような分かりやすいセリフも出てきて、そういうのが苦手な人もいるかもしれないですが、実は大きな事件よりもこういう実際に現場で働いている人、共に生きている人の微細な心理を描いていくものの方が「今の日本には大事なんじゃないかな」と個人的に思ったエピソードでした。私の好みもありますが(笑)。
社会問題とエンタメのバランス
第７話から三上博史演じる阿川という刑事が出てきて、このドラマの根幹の話が動き出します。有木野の過去に起きた辛い出来事や、闇の組織から動いているボランティアという悪との対決に焦点がいき、最終回では。。。
タイトルにも書いたのですが、社会問題を扱ったドラマとなると、とことん真摯にリアルに描こうとする作品も多いです。日本のドラマに限らず。でも、
エンタメとして作品が面白いほど社会問題点も伝わりやすいのではないか
もちろん作品を面白くするために問題を湾曲したり誇張しすぎたりするのはよくないと思うのですが、真摯になりすぎて観るのが辛かったり、つまんなくなって広がらなくなるのも、もったいなかったりするわけです。
この考えに至ったのには、韓国ドラマにハマった事が私には圧倒的に大きくて。こと「社会派とエンターテインメントの作品内のバランスと面白さは、今や欧米ドラマも凌駕するくらいの勢いかもしれない」と韓国ドラマに思っていて。
以前私も感想を書いた「D.P.」なんかはまさにそういう作品でした。
でもこの「東京サラダボウル」も
とてもいいところまでいっている！！
と思えたドラマでした。
奈緒、松田龍平ら熱演で話題！『東京サラダボウル』はなぜ今ドラマ化されたのか新宿を舞台に、外国人居住者たちの日々の生活やそこで起こる事件を通して異国で生きる葛藤を描き、話題を呼んでいるNHKドラマ1gendai.media
この作品、上のリンクのインタビューで知ったのですが、漫画の作者も黒丸という女性、プロデューサーは家冨未央、演出に津田温子と主要スタッフに女性が多いんですね。今はあんまり珍しいことじゃないのかもしれませんが、個人的にとても嬉しかったです。お二人ともとても素敵で、インタビューもドラマと同様にとても面白かったので、ドラマと併せてオススメしたいです！
最終回の感じを観ると、おそらく続編も考えている・・・？もしあるなら「ぜひまた観たい！」と思う作品でした！
気になった方はぜひ観てみてください♪
おまけ
このドラマ、料理美味しそうなので観るとバインミーやら韓国料理やらがやたら食べたくなりました(笑)
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