海外で高評価連発!「ドライブ・マイ・カー」と「イカゲーム」で私が一番気になったある違いとは

昨年から話題になっているのがこちらの日本映画作品

目次

「ドライブ・マイ・カー」

軽く流れをお話しすると、アメリカには各地だったり映画業界や批評の協会毎に映画賞が設置されていて、その年の優れた映画を称えるシステムが確立しています。

日本だとアカデミー賞やゴールデングローブ賞が有名だと思うのですが、「賞レース」と呼ばれるように、そのあたりの賞が発表される前から日ごとに各映画賞が発表されていきます。
その内容に沿って大きな賞のノミネートの予測がたてられたり、その年にどの映画が評価されていたかが分かりやすくなっていきます。

で、今年は先に書いたこの「ドライブ・マイ・カー」が非常に評価が高く、作品賞や外国語映画賞などを受賞していています!

Golden Globes
Drive My Car - Golden Globes Nishijima Hidetoshi is a stage actor and director happily married to his playwright wife. Then one day she disappears. Read Winners Circle 2022: Drive My Car (J...

先日にはゴールデングローブ賞の外国語映画賞にも輝きました。(ゴールデングローブ賞については今年ちょっといろいろあったのですが、それはさておき。)

この流れで行くと「アカデミー賞の作品賞にノミネートもあり得る!」くらいの勢いで。

私は作品はタイミングが無くて観れていないのですが。

そして、昨年は映画ではなくドラマですが、現在同じようにドラマの賞でこれまた快進撃を起こしている、昨年大変話題になったこちらの韓国ドラマ作品

「イカゲーム」

Netflixオリジナルシリーズとして大ヒットなんてもんじゃない評判と視聴者数となった「イカゲーム」。

ドラマは映画ほど賞が多くないとはいえ、こちらもアメリカのドラマの賞には必ずと言っていいほどノミネートを果たしています。ゴールデングローブ賞ではなんとあのおじいちゃん、オ・ヨンスが最優秀助演男優賞を受賞!

Golden Globes
Oh Young-soo - Golden Globes Golden Globe nominee Oh Young-soo was born on October 19, 1944, in Korea. He received his first Golden Globe nomination for the Netflix smash hit Squid Game. Wi...

で、私はこのドラマも個人的に苦手なジャンルなので作品は観てないんですけど(笑)、作品についてではなくて「ドライブ・マイ・カー」のこの状況について感じた、作品についてではないけどちょっと違う視点でこの2作品について感じたことを話してみたいと思います。

映画とドラマで既に違いがあるので無理あるかもな感じですが(笑)、あんまり言語化している物を見かけなかったので書いてみますね。
気になった方は先を読んでみてもらえると。

「ドライブ・マイ・カー」、本当に凄いですよね!「評価が高いんだなー!!」と日々感じています。いろんな映画賞を取りまくっていて。
単に外国語映画賞だけではなく、並居る作品を押しのけて作品賞自体も受賞をしていて。
毎年賞レースを眺めている者からすると、この勢いはアカデミー賞で外国語映画賞だけではなく、作品賞のノミネートまで期待が持てるくらいの感触です。

で同時期に、こちらも話題になっている「イカゲーム」があって、同時期に話題に上がりやすいので、なんとなく二つ並べた視点で情報を得てしまうのですが、もうね、

「イカゲーム」の海外メディアの対応力の凄さよ!!!!

これをめちゃくちゃ感じてしまうのです。日本にいると結構マニアックな視点になってしまうかもなのですが。これは「イカゲーム」というより、韓国エンタメ界と言った方が正しいかもしれません。

だって本当に凄いんです!って、今更語るの遅いかもですけど(笑)

まず、昨年9月に作品がリリースされてTwitterとかで世界的に話題になり始めて、「なんだなんだ?」と思っている間に、

アメリカの人気深夜トーク番組「tonight show」にキャストがオンラインでゲスト出演したんですよ。これがすっごい早かった!!

これ10月頭だから作品リリースから1ヶ月もしない間に!!

tonight showはもはやBTSが出まくってるから「イカゲーム」のキャストが出演しても全然違和感なかったんですよね。こういう感覚にさせられたのがすでに凄いけど(笑)

これってどっちがどうオファーしたかは不明ですが、こういう作品の話題性と特に今の時代性からいって、ブッキングからセッティングまでスピード感が重要なので、アメリカ側はもちろん韓国側も早く対応できないと実現しないことだと思うのです。

で、

イ・ジョンジェが今度は同じくアメリカの深夜トーク番組「the late show」に現地までいってゲスト出演してるのですよ!たぶんアメリカでの宣伝活動があったからだと思うのですが、あくまで私的にですけど本当に凄いことなんですよ!

このゲストポジションは相当人気かつ話題、かつ番組のカラーからいってそれなりのステータスがないと出演できない番組。

アメリカの深夜トークショーがエンタメ界でどういう位置付けかを語るのは難しいのですが、例えば司会の交代時には大ニュースになるくらいの人気番組で、時には政治的にも影響があったりすることさえあるかもしれません。

上手く言えないんですけど、簡単に言えばAリスト的な、通常なら主要なハリウッドスターあたりが出てくるような番組です。

そこにイ・ジョンジェが呼ばれることも凄いけど、彼はもともと結構人気の俳優なのでそれはそこまで驚かないとして。(私は驚いたけど)

で、イ・ジョンジェは通訳の女性と一緒に出演してますけど、これももうおなじみの風景というか、観ていて韓国映画「パラサイト」がアカデミー賞で作品賞を取った時に、一時期この通訳をしていたシャロン・チョイ監督にスポットライトが当たってたくらいの時を思い出して。

だから、本当に「韓国コンテンツ業界が凄いな」って肌から思ったのは、作品を観なくてもこういうメディア対応で既にビシビシ感じちゃって。
これは単純に作品の認知度を高めるだけではない。この作品が国際的、もっと言うと「ハリウッドのAランク作品と同等の物だ」と態度で真正面からアピールしていることになります。

海外ではこういう番組出演で作品を知ったり、意識した人はかなり多いんじゃないでしょうか。

そして早さだけじゃなくて、

アメリカのエンタメを取り上げる主要メディアに対しての対応力が高い!!

だって、例えばアメリカのエンタメを取り扱う最大手のメディア「Variety」誌にはオリジナルの写真にコメント、表示のカバーを飾れるだけのビジュアル(今回は主にイ・ジョンジェと助演のパク・ヘスとチョン・ホヨン)、使いまわしでもなく、ちゃんとそのメディア用に準備されていると一目でわかります。

こちらもアメリカの業界誌「Vanity Fair」にはキャストのインタビュー動画がありました。

これって、 Netflixが100%やる気満々だったと仮に予測できたとしても、人気が出て注目が集まって「食い込める!」または業界側から「ちょっと出てよ」って声がかかった時も、

そこをちゃんとカバーできる能力が韓国エンタメ界にあるってことだと思うんです!

言い方悪いかもですが、エグいくらい狙ってます。制作側から宣伝側、出演者に至るまで海外メディアへの対応が徹底していることに驚きます。
話題のモデル出身チョン・ホヨンがVougue本家でカバーまで飾っちゃってますし。KoreaやJAPANじゃないよ!本家アメリカ版でアジア人初の単独カバーだよ!

これはもちろん数年前のオスカーで「パラサイト」が作品賞を受賞した時の下地があるんだと思います。

そしてそれをきっかけに「イカゲーム」でちょっとでも「韓国のもの面白そうだな」と思ったら、

同じNetflixで同品質またはそれ以上の品質の作品がたくさん観れる!!

ここ!!ここが何より凄いことよ!!

現に Netflix本家(Koreaじゃないよアメリカだよ)が、「『イカゲーム』気に入ったんならこんな韓国ドラマあるよ」ってツイートしたりしてます。

、この明確すぎるくらいの状況の把握力、対応力が日本のエンタメ界にあるか。

私が日本に住んでながら、海外エンタメばっかり摂取していて日本のエンタメ界に詳しくないから分からないのですが、「ドライブ・マイ・カー」がこんなに賞も取ってるくらいだから「どこか一つの洋メディア、濱口監督かまたは西島秀俊にはなんらかオファーとかあるかもなー」とか思うのですが、果たしてオファーがあって、それを最優先で対応できるくらいの視点と行動力が日本メディア側にあるか。

って気になって、例えば「海外版のHPどうなってるのかな〜」って検索したら

ビビるくらいシンプルだった(笑)。これは作品に合わせてるのかもですが。

Twitterの公式は日本語のみ。びっくりです。海外でこんなに評価されているのに!!

インスタは最近英語のコメントも入れるようになったみたいで良かった〜。

海外メディアで取り上げられる時に目に入ってくるのは、大体が映画のシーンを使ったスチール。

確かNYTimesの時はそれ用の写真があったのかな。

でもたぶんこれくらいしか見かけてなくて。

仕方ないから海外の映画についてのインフルエンサー的な方が

数年前のアルマーニの広告貼って西島秀俊のツイートしてくれたりしてくれたり、

「英アカデミー賞に西島秀俊がノミネートされないの最悪だよね」とか呟いてたり。

私は「メディアの質が完全に違う」と感じました。エンターテインメントそのものへのプライオリティの違いが分かります。差とも言えません。質が完全に違うんです。

決して日本の映画業界を批判しているわけではありません。私自身、日本のコンテンツをほぼ観なくなって久しい人間なので、今の日本の現状や作品についてや業界については知らな過ぎて何とも言えない身です。
あくまで私が普段接している側からだけしか触れていないです。でも、その時点でもうその姿勢や目指しているところが全然違うことが分かります。

もし日本で「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞で作品賞候補にノミネートされたとして。
国内で盛り上がるのは当たり前として。それはそれで本当に凄いことだと思うのですが。

もうちょっと自らプッシュしてもいいんじゃないか?

面の皮厚くてもいいんじゃないのか?(笑)

でも逆からいって、カンヌで賞をとっているとはいえ、このそっけなさで海外で各賞を受賞しているというのは、「相当作品が面白くないとあり得ない」ってことだと思います。なので

「ドライブ・マイ・カー」は本当に面白いんだろうなって予測がたちました(笑)

「日本の映画制作の皆さんはこんなところで頑張ってるんだな」と、今回のこの件で改めて感じました。

「ドライブ・マイ・カー」がオスカーでノミネートされたり、評価されたりして。そのことで、映画が好きな若い子や子供達が「作品を作ってみたいな」と思ってくれたりして。そういう夢をみれるようにいい結果が出るといいな、と。

それを

何がなんでも実現させるか、

ただひたすら待つか

私は「もっとがっつり狙って動いても良かったんじゃないかな〜」とちょっと感じました。

あくまで私の感覚だし、業界のことも詳しく調べてないので、もし間違っていたらすみません。

とりあえずはアカデミー賞のノミネートの発表、楽しみにしたいと思います。

おまけ

ちなみに「パラサイト 」のTwitterの英語公式アカウントっていつできたのかな〜って見てみたら、2018年11月。アカデミー賞を受賞したのは2020年。1年以上前。これはこれでやる気満々が凄いわ(笑)

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