先日のアメリカ大統領選挙では民主党のバイデン候補が勝利し次期大統領に。
結果を知った時は私も心からホッとしたと同時に、頭に浮かんだのは10月25日にオンラインライブ配信を行ったビリー・アイリッシュとそこに映った若いファンの姿でした。かねてから民主党支持を公言していたビリーはこのライブ配信でも選挙への投票を呼びかけていました。
彼女の公式HPには「VOTE」のリンクがあり、彼女のメッセージと投票についてのリンク先が掲載されています。
オンラインライブはコロナの影響で延期となった「WHERE DO WE GO?」ツアーからの演出や世界観を最新の技術を駆使しライブ演奏と共に見せる内容で、セットリストも13曲とボリュームは割と抑えめ。巨大スクリーンの映像やMVの再現のような刺激はあったけど、バンドセットもギター等ビリー兄のフィニアス、ドラマーのアンドリュー・マーシャルとお馴染みの形は変わらず、私にはあくまでビリーの歌をメインに据えてるように見えました。
ビリーのライブはいつもファンの盛り上がりが凄まじく、特に若い女子からの熱狂的な歌声や歓声で本人の声が聴き取りづらい時すらあるので、こうやってじっくりライブで歌を聴けるのはとても良かったと思います。MVの再現をしたりと楽しませる演出で工夫がされていました。
ライブを楽しんでた私が胸を突かれたような想いになったのは、スクリーンに映し出されたたくさんファンに向かって「everything i wanted」を歌うビリーを観た時。
MV
この歌は昨年秋にリリースされたシングルで、こんな歌詞があります。
「あなたは私に言ってくれる。『私がそばにいる限り、あなたを誰にも傷つけさせない』と」
今年、全世界がコロナ禍に見舞われる中、特にアメリカはコロナの感染者が莫大な人数で外に出ることもままならならず、家に閉じ込められて誰もが感染の不安を強いられる辛い状況が続いていて。
また春に追い討ちをかけるように起きた「ジョージ・フロイド事件」。アメリカの分断が浮き彫りになり、日本で見ていた私でも気が滅入るほどの警官の暴力行為などを目の当たりにして、大人でも精神的にかなりキツい状況の中。
若者の不安はどれほどだろう。
画面に映し出されるたくさんの自分と同じような若いファン一人一人に歌いかけるようなビリーの姿を観てその事に気づかされました。ビリーはファンと心を共にしようとしてるように見えました。
ライブを見終わったあとも、ビリーと画面に映し出された若いファンが歌う姿がしばらく心に残りました。
ビリーはライブ配信後も民主党の副大統領候補カマラ・ハリスとオンラインで対談したりと積極的にファンに投票を呼びかけていました。
なぜそこまでして今回の選挙へ向かわるのか。必死にまで見えるその理由は選挙が始まってからより一層分かるようになりました。
選挙は史上まれにみる大接戦。今年はコロナの影響で郵送投票が多いこと、また投票率もかなり高かったので1日はおろか結果が出るまで数日かかる状態。4年間のトランプ大統領の横暴とも言える暴言や振舞いにも関わらず、まだこれほどの支持者がいたとは。他国から見ている私にはここまで分断が深まっているとは気づきませんでした。
そんな中選挙投票開封中に伝えられたのは若年層の投票率の高さとバイテン支持の傾向。他の層が半々の割合を示す中、若年層ははっきりバイデンの指示割合の方が高かったのでした。
私は今40歳ですが、自分の年代層の真っ二つに割れた割合に驚くとともに、若年層のこの結果を見た時には頼もしさと同時に少しやりきれない気持ちになりました。世界を変えようとまっすぐ信じ、実行したのは若者達でした。
また、ちょうど同じ頃に選挙直前の週末の段階では 3万5000人のジェネレーションZの選挙投票ボランティアを生み出す「poll hero project」の存在も知りました。
混迷を極めているこの2020年に国のリーダーを決める選挙が行われるとは、アメリカにとってとても大変な事態だと思いましたが、若者にとってこの選挙がいかに大切なものだったのか。この記事を読んで思い知らされたようでした。
アーティストの投票への呼びかけはビリーに限らず、レディ・ガガやテイラー・スイフトなど多くのアーティストがメディアを通して行っていましたが、あのビリーの配信ライブがやはり一番私には心に残りました。
今回のオンラインライブ配信は発表から実施まで1か月足らず、チケットの購入はクレジットカードさえあればとても簡単。投票開始直前に行うことを考えると映像こそ凝ってはいたものの、シンプルなライブ構成は彼女のメッセージを伝わりやすくするためかなと思いました。そしてその想いは形になりました。
私は息子が生まれてから、ニュースを見たり選挙のことを考えたり、この先の未来について思うとき、若い世代についても想いを馳せることが多くなりました。若者が不安な気持ちを抱くのは日本も同じ。私も自分の票や声が小さく役に立たないなどと思わず、少しでも想いをここに書くだけでも何か力になればいいなと思います。
この選挙の民主党の勝利はアメリカ、そして全世界の若者達に夢を与えるスタートになってほしいと心から思います。
そのために素晴らしい歌でメッセージを届け、今回の選挙の大切さを気づかせてくれたビリーに心からありがとうと言いたいです。
彼女のこれからの作品がますます楽しみです！
ライブも絶対行く！延期になってしまった来日チケットは払い戻ししてません。いつか観れることを信じて待ちたいと思います。
彼女がこの夏発表してくれた素敵な曲「my future」の歌詞にあるように、未来の彼女に会うのが待ちきれません。
11/12に新曲リリースも発表されました♪
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