なぜ賛否?Harry Styles新アルバム「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」の音楽性とチャレンジについて考察!

ハリー・スタイルズ「Kiss All The Time. Disco, Occasionally.」アルバムジャケット写真

Harry Stylesの最新アルバム『Kiss All The Time』は、彼の作品の中でも、これまで以上にダンスミュージックへと傾いた作品です!

一方で「物足りない」「深みが薄い」という声もあり、評価は大きく分かれています。

なぜこのアルバムは賛否が分かれるのか?その理由を解説します。

アルバムのSpotifyリンクはこちら

「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」からの1stシングル「Aperture」

前作の「Harry’s House」が大好評で、2023年の第65回グラミー賞では最高賞ともされる最優秀アルバム賞を受賞。名実共に文句なしにトップアーティストとなった彼。

このアルバムを元にしたワールドツアーも1年以上の日程をこなし、来日公演も果たしてくれました!

そんな彼が今年の1月にリリースしてきたシングルが「Aperture」。そして3月にアルバムリリースも発表。

このシングル、それまでハリー・スタイルズ得意の甘い部分は残しつつも、今までに彼の曲で聴いたことがないハウススタイルの曲でびっくりしました!!

しかも最近は4分以下の短い曲がシングルのトレンドな中で、この曲は5分以上もある曲で、新アルバムの中でも最長の曲となっています。

アルバムタイトルに「Disco」とあるように、ダンスサウンドを取り入れた曲で、「これは面白い!」と思いました。

「今回のアルバムはチャレンジングな内容になりそうだな~」とこのシングル曲を聴いて期待も大きくなりました。

サウンドの作り方も特徴的ですし、あんまりポップなメロディーなどもない変わったと言えば変わった曲ですが、イギリスの公式チャートやSpotifyのグローバルチャートでは見事1位に!

やっぱりハリーの人気が凄い事が良く分かりました。

「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」のインスピレーション元と目指したところは?

この「Aperture」の後に満を持してリリースされたのが、アルバム「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」。

彼が今回のアルバムを作りにあたって「一番影響を受けた」とインタビューで語っていたのがLCD Soundsystem。アメリカ・ニューヨークのバンドで、ジェームス・マーフィーが立ち上げたバンド。

特徴はロックやパンクにダンスサウンドを取り入れたスタイルで、海外の大型フェスではトリやトリ前なんかも務める存在。「ディスコパンク」という言い方もされることもあります。

これまでのハリーとサウンドは70s以降の耳馴染みのいいシティポップやロックサウンドが主流の音楽だったので、ダンスミュージックは1Dだった頃を含めてもおそらく初めて。

それも、「ポップなサウンド」というよりももっと、実験とまでは言わないですが「オルタナティブでクールなサウンドと、自分の本来持つポップとの融合を目指したのかな」と思いました。

「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」に収録された曲はどんな感じ?

そしてリリースされたアルバムを聴いてみたところ、

2曲目のシングルとなった「American Girls」は、これまでのハリーのポップネスなミドルサウンドの曲を、電子音を聴かせた低音などでくるんだ曲で、こちらの方が「Aperture」よりも今までのハリーのスタイルの延長上で聴けそうな1曲。この曲もUKチャートではトップになっています。

その後に「Ready, Steady, Go!」「Are You Listening Yet?」と、確か今までのハリーの楽曲の中ではより電子音を多く使ったりリズムも4つ打ちのようなアレンジの曲で、ポップ的な美しいメロディーというよりは、語るような形の曲調が続きます。

ハリーの今までの持ち味だったメロディアスな曲も、今までよりエレクトロ感なアレンジを強調。

確かにこれまでと感触の違う、新たなサウンドへの挑戦を感じるアルバムとなりました。

「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」のチャレンジと結果は?

その挑戦自体はとてもいい事だと私は思っていて、どの曲たちもハリーの想いがこもった曲だと思いますし、アルバムの曲も悪くはないんです。とても面白いアルバムにはなっていると思います。

ただ本人自体がまだ迷いの中でこのアルバムを作ったのが、作品自体に凄く表れているような感じがしますね。「自信を持って作った」とは本音の部分では言えないような感じもあったのかな、と。

特にサウンド面では、もちろん悪い音ではないですし、新しいハウスやダンス方面のサウンドと今までの彼のスタイルが備わってはいると思うのですが、全体的に「お!」と思わせたり「また繰り返し聴きたい」と思わせる要素は前作に比べるとだいぶ薄い気がしました。これは個人の好みかもしれないですが。

アルバム全体も平坦な流れで、最後まで聴くには少し飽きてしまうところもあるかもしれません。

彼の最大の持ち味で凄いところは、その愛されるポップネスやロック感、を彼と同世代を中心とした女性ファンから始まり、そこからいろんな層の大衆に愛されていったところだと思います。しかも、ロックがチャート上では元気なくてヒップホップが全盛だった時に。

そして、本人の資質でもある甘さがあるキャラ。それが最大限発揮されている曲が「Coming Up Roses」。

ハリーのみのライティングで書かれたこの曲が、私のアルバムのベスト曲でした。ストリングスを使ったバラードですが、一番馴染んでましたね。

「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」の問題点は?

彼自身の問題というより、私は「トラックにちょっと問題があるのかな」と思いました。

PDはハリーとずっと一緒に曲やサウンドを作ってきている親友のKid Harpoon。彼が得意とするところも、やっぱりロックを中心としたサウンドでダンスミュージックの制作は手探りだったかもしれません。

今はそういうダンスとロック両方の音作りができるPDもたくさんいて、「そういう方面のPDに切り替えれば、もっと面白いものができたのかな」とも思うのですが、「ずっと馴染みの親友と曲を作っていきたい」というハリーの気持ちも分かります。

けど、新しいことをやる時には「思い切りの良さ」は本当に大事で。それこそメッタメタに酷評される恐れがあっても。ハリーなりにそう思ったかもしれないのですが、私には「まだ足りなかったかな」と思いました。

それでは提示された方も「受け取り方に迷うところがあるのは仕方ない」と思います。

もちろん、私はハリーの大ファンなので繰り返し何回も聴くことも全く苦ではないですが(笑)。とはいえ前作「Harry’s House」の時に比べると、リピート率は低いのは否めません。

「Kiss All The Time. Disco, Occasionally」はライブで体感するのが良さそう

アルバムのリリース後にNetflixでも世界配信されたマンチェスターでのライブは、音源だけを聴くよりもより曲の世界にも入れましたし、音もとても良く聴こえました!「これはライブアルバムとして楽しむ方がいいかも」と思いました。

来日してくれたらいいのですが、リリース初週のSpotifyのアルバムチャートで日本でのランキングを見ると74位。

SpotifyJapanアルバムチャート2026/3/19付けの画像
SpotifyJapanアルバムチャート2026/3/19付けの画像

「これではかなり望み薄だな」と思いました。これはハリーに限らずですが、単純に聴かれていないのになかなかアーティストは来日しづらいと思います。

アルバムの曲よりしっくりきてしまった曲のカバーとこれからは?

アルバムのプロモーションのために出演したBBC Radio1の番組「Live・Lounge」に出演。この番組では自分の曲の他に1曲カバーを披露するのが通例。

ここでハリーはTears for Fears –の「Everybody Wants to Rule the World」のカバーを披露しています。この曲は最近公開された映画「マーティ・シュプリーム」でもエンディングに使用されたりして、今注目度が上がっている曲。

このカバーを聴いて正直「アルバムのどの曲よりもしっくりくるな」と思ってしまいました。

無理がなくて、でも新しい。この方向を目指した方がよりいい曲ができたかもしれません。

今回のアルバムについてはちょっと辛い感想にはなってしまったのですが、彼自身が新しいチャレンジをした事は、繰り返しになりますが本当に良いことで、アーティストとしてさらに成長するには、絶対に必要なことです。

このアルバムも決して悪いアルバムではないですし、また次のアルバムも楽しみにしています♪

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