2025年の私的年間ベスト音楽プロデューサーは誰?候補とともにレビュー

音楽スタジオのミキサー

今年もこの季節がやってまいりました。

というか、正確に言うと昨年なのですが(笑)

4年前(正確に言うと5年前)から私が独断と偏見で個人的に選んでいるのが年間ベスト音楽プロデューサー(以降PD)。

このベストPDの記事についてももう5年目となりました。毎年勝手に選んで勝手にブログを書いていますが、毎年年末近くになると「どうしよー!」と考えるのが楽しくてたまりません(笑)。私にとってはベストアルバムやベストソングと同じくらい、いやそれ以上に「楽しい」と思っています。

2025年は後半にもいい曲やいいアーティスト、バンドに出会えたりして、毎年思いますが「充実していた年だったな!」と。そんな激戦の年を生き抜いていた候補5名を、まずはご紹介したいと思います!

Adam Granduciel

一人目はAdam Granduciel。彼はアメリカのギタリスト・ソングライターで、「The War on Drugs」というバンドで自身も活躍しています。FenderのYouTube公式チャンネルで自身のアルバムについて解説していた動画があったので、リンクを載せておきます。

そんな彼が今年手がけたのが

このSam Fenderの「People Watching」というアルバム。Samについては、

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このブログで私が彼の来日をいかに切望しているか書きまくっていますが(笑)、このSam Fenderのアルバムはイギリス中が待望していた作品で、リリースされてから大ヒット!!

このアルバムをメインにしたツアーで、昨年はおそらくoasisに次ぐ大きな会場でのスタジアムライブを次々にソールドアウトさせて、ライブ自体も大成功させています。ロンドン・スタジアムでのライブを収めたフィルムがYouTubeで公開されています。彼と同世代の若者を中心にしたファンの熱気も素晴らしいライブ映像なので、ぜひ観てみてください♪

アメリカでもコーチェラ・フェスティバルに出演し、ツアーもこなした彼。イギリスでは考えられないような小さなコーチェラのステージで(笑)、そんなことは関係なく楽しそうにライブする姿は印象的でした。

このアルバムの成功に大きく貢献したAdamは、The War On Drugsで既にグラミーのBest Rock Albumを受賞していたりと、ロック界でも評価が高い人物。ヒリヒリするような過酷な社会の現実や心の傷を歌うSamのサウンドに、よりスケール感と大地ようなの音の感触を漂わせた素晴らしいロックアルバムになっています。

そんなAdamですが、私生活のパートナーはあの「ブレイキング・バッド」や「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」でおなじみのクリステン・リッター!こんな美人を虜にするアダムすごいわー!(笑)。「素晴らしいアルバムをありがとう!」というお礼と「The War On Drugs」でもフェスに出演など動きがあるようなので、期待の意味を込めて今年のベストPD候補に選出したいと思います!

Tony Berg

昨年の春頃あたりからぐんぐんとチャートを登ってきて、あっという間に大ヒットとなった曲が

この若干19歳のSombrというアーティストの「back to frends」。

the1975を彷彿とさせるようなさわやかさとクールさが印象のミディアムロック曲で、「おお!いい曲だな」と思っていたところに、もう一方のシングル曲「undressed」や

ディスコサウンドが印象的な「12 to 12」といった曲で、どんどんと存在感を上げていった彼。

今年のサマソニでも来日しライブを披露し、評判も良かったですね!私もライブめちゃめちゃ観たかったですが、サマソニと丸被りしたビリー・アイリッシュを選んだので仕方ないです(笑)。

Sombrは幼い頃から音楽の教育を受けて、なんとNYのラガーディア高校にいた(!)そうで、ネット上での自身の曲のヒットからそこを中退(!)して、本格的にロックソングで成功しようと動き始めたというのだから、「すげー!」としか言いようがない人なのですが(笑)。そんな彼の1stアルバムを一緒に作り上げた人物が

このTony Berg。Sombrと一緒にインタビューを受けていた動画を。ちなみにもう一人のいつも凄い格好してる(笑)Shawn Everett、こちらも本当に今のロック界には欠かせないサウンドクリエイターかつプロデューサーで「12 to 12」にてミキシングで参加しています。

Tony Bergと言えば、私が知っていたのは「Stranger in the Alps」「Punisher」フィービー・ブリッジャーズの作品で名前を見かけていた感じでした。その時に「キャリアが長い人なんだ」となんとなく知ってはいたのですが。彼がフィービーの次に一緒に曲を制作したのが、このSombrだったんですね。

「back to friends」から数曲シングルで聴いていたものの、このアルバムを最初に聴いた時はもう衝撃に近かったですね、私は(笑)。音作りがめっちゃ良いんで!!「ちょっと普通のデビューアルバムじゃないな」という印象を受けました。

Sombrが作る曲全体ももちろんいいんですが、バンドも彼の声も「インディーロック感の2024年版究極にもって行こうとしている!?」というようなアレンジや音の感触で、重くないんだけどとにかくカッコいいの!

イントロはピアノの1音ずつだったり、ドラムとギターの音のシンプルな入りだったりする曲があれば、80sのようなシンセが楽しくも切なくも響く曲があったり、Sombrの歌を歪ませたり、エコーのような効果をかけたり。あとドラムもめっちゃ良くて、気持ちいいし良く聴くと結構主張があって。とにかく曲もアレンジも心地よく、超カッコよく、異常なまでに工夫が面白い(笑)。

Tiktokでヒットしやすいのもなんとなく分かります。私はTiktokやってないけど(笑)。チャート聴きしていると、sombrの曲は他の曲と耳の印象が違うんですよね。決してクリアではないんだけど、豊かな鳴りで後を引くような。目立つんで、ある意味ズルいんですよ!!(笑)。

このTony Berg、なんと今年で71歳だそうで、Somberとは50歳も歳が違う!!もはや「おじいちゃんと孫」くらいの歳の差ですが、音楽制作にはそんなことまーーったく関係なく、楽しんで作っているのがとても伝わる神アルバムですね!

SombrはTonyに惚れこんじゃって、インタビューで「一生一緒に音楽作っていく!」と言ってました。長く続くといいですね!というわけで、私の2025年ベストPD候補に選出したいと思います!

Ethan Gruska

フィービー・ブリッジャーズの話題が出たところで、彼女のアルバム「Punisher」がいかに他のミュージシャンに影響を与えているかを知ったもう1つの作品が

こちらのConan Greyの「Wishbone」。このアルバム、私の昨年のベストとまではいかないのですが、かなりお気に入りで良く聴いていました。

彼は元々はOlivia RodrigoやChappell RoanといったアーティストのPDとして知られるようになったDan Nigroと一緒に曲を作っていたのですが、前作はいったんDanとの共作は止めて違うPDとアルバムを制作。でも、いろいろと思うところがあったのか、今作でまたメインをDan Nigroに据えて作ってきました。もともとDan Nigroを私の殿堂入りPDにしてしまったくらい、私はDan NigroのPDする曲が大好きなので、まあ好きなのは当たり前なのですが(笑)。

今回私がこの作品でベストPD候補に選んだのはDanではなく、このEthan Gruska。彼は自身の名前でシンガーソングライターとしても活動したりしていましたが、先に出したフィービーの「Punisher」でサウンドメーカーとして活躍し、Somberのところで出てきたTony Bergと共にクレジットに名前が並んでいたのでした。

Conanの「Wishbone」は、もともとの彼の持ち味だった切ない曲調と歌声を追求し、手作り感と音のクオリティを自分らしく上げてきた成長を感じる1作で、全体的にやっぱり「Punisher」の感触を感じるんですよね。彼女の時ほど鋭かったりはしないのですが、どちらかというと儚げで少し夢がかったような感触の音感に、彼の中性的な歌声が「うまく響くように作られているな」と。「おそらくDan Nigroだけでは、ここまでの感触にならなかったかも」と思いました。全曲には携わってないみたいなのですが、「この曲いい感触だな」という曲にはEthanの名前があるんですよね。

Ethanは昨年はこのマムフォード&サンズの「RUSHMERE」でも数曲に参加しています。こちらもメインPDはDave Cobbというオルタナティブカントリー系のPDで、作品を聴くととても分かりやすいのですが。このアルバムでEthanが参加している曲はコーラスの重ね方でやっぱり独特というか、若干儚さが加わるような感触の曲に仕上がっていて。

「『Punisher』ってPhoebe Bridgersのような女性のインディーアーティストに影響を与えていそうと思いきや、結構男性アーティストやバンドにも影響があるのだな」と彼のおかげで気づけた年でした。Ethan本人がその気なら、「すぐにメインPDとして名前が挙がってきそうだな」と思って。

そんな彼、なんとスピルバーグ作品の映画音楽でおなじみジョン・ウィリアムズの孫でもあります。先物買いではないですが(笑)、今後も注目していきたいと思い、私の2025年ベストPD候補に選出したいと思います!

Jim-E Stack

昨年に待望の新アルバムをリリースしたLorde。前作から4年の年月を経たということで結構長かったですね。前作はフォークミュージックを意識したアルバム「Solar Power」で賛否両論。PDは今や超人気PDとなりましたJack Antonoff。2018年の「Melodrama」が絶賛されたこともありましたが、期待値が高かっただけに、この反応はLorde本人もいろいろと辛かったみたいです。

リリースされた「Virgin」は、まずもってアルバムのジャケットからして凄い絵面で、最初は何なのか私は分からなかったんですけど、女なのに(笑)。知りたい方は検索してみてください。

先行のシングル「What Was That」から本来彼女のデビュー作であったような、飾りのほとんどないエレクトロサウンドに彼女の声が響く印象的なサウンドで「あーこれこれ」みたいな感覚だったけど、英語があんまりできない私は歌詞まではあんまり深く聴いてなくて。アルバムがリリースされて歌詞までちゃんと追って聴いたのですが。これがまー痛い痛い傷だらけの内容で、初聴きでは「これはもう聴き返せないかも」ってくらいキッツいアルバムでした。「そこまで歌うか」みたいな内容ばかりで、失恋はもちろん、洗脳とか、拒食症とか、母親とうまくいってなかった関係などそういったところをもうリアルにどストレートにと歌うので、ちょっと面喰いすぎた感じでした。

ただ、これが絶妙な感覚で私自身がハマっていって何度も聴き返せるようになったのは、冷静でちょっと突き放したようにも聴こえるサウンドトラックの作りのおかげかも。もちろん盛り上げるところはちゃんと盛り上がって、高揚感もあるのですが、全体的に乾いたようなサウンドであんまりベタついていないところが、ちょっとクールに聴ける感覚にしてくれて、ダンスミュージックとしてもちゃんと受け入れられる作りになっていて。ベースの乾いたような音やものすごくミニマルな電子音のアレンジなんだけど、ダサくなくて、でも先鋭すぎてなくて、Lordeの声も邪魔することなく、よく作られているトラックで。「これは彼女と一緒に作り上げたJim-E Stackのおかげなのかな」と。

万人に勧められるアルバムかと言われると個人的にはちょっと難しいところはあるのですが、でもこういう苦しみのアルバムをリリースしたことで救われる誰かも必ずいるし、Lorde自身のキャリアにも絶対にプラスになるだろうと応援する気持ち、そしてJim-E Stackのトラック作りの見事さを称えたく、私の2025年ベストPD候補に選出したいと思います!

Cameron Winter/GEESE

ラストは「え!?」って怒られるかもしれないのですが(笑)。すみません。先に謝っておきますね。彼を選ぶのはずるいっちゃずるいかもしれないんですけど。でも選んじゃいます!だって凄いんだもん!!

「昨年はGEESEの年でもあった」という人は、たぶん私だけではないはず。

このアルバム、「Getting Killed」がリリースされて聴いた時の私のぶっ飛ばされぶりときたら。聴いてる最中に何度も「ええー!!」だの「おおおーーー!!!」だの言ってて、うるさいことこの上無しでした!(笑)

GEESEやフロントのCameronの存在を知らなかったわけではないんです。でも超衝撃でした。「なにがどうしてこうなった!?!?」と即座にいろいろ検索して調べたり、いろんな音楽媒体やインディロック好きな方のソーシャルメディアのレビューを漁ったりしました。で、やっぱりみんな結構驚いてたんじゃないかと思います。

前作の「3D Country」も聴いてはいたんですけど、なんとなく聴いちゃってた部分もあったみたいで。いいアルバムなんですけど、でもやっぱり「Getting Killed」の方がいろんなところの強度が凄くて。

2024年にリリースされたソロも、正直あんまりちゃんと聴いてなくてスルーしちゃってたんですけど、そうしたら

え!?なんか覚醒した!?

「Getting Killed」ではまさにこれを感じました。サウンドももちろん、歌の深度やアレンジの強さがもう全面に出てていて、それはキャメロンのソロからそうだったみたいなので、なんかここで覚醒の芽があったのかも。全然気付かなかったー!

え?でも「Getting Killed」がそんなによかったなら

この自分でドラム叩いてNPRのtiny desk concertに出ていた、R&Bからロックまで手掛ける、「Getting Killed」でGEESEと名前を連ねている「PDのKenny Beatsを選ぶのでは?」と思われた方もいるかもしれません。本来ならそうなのですが。

でも、今回のこの「Getting Killed」については、PDがどうこうっていうレベルの作品じゃない気がするんです。普段こんなにPD聴きしがちな私がこんなこと言っちゃうくらい、「この作品は特別かも」という予感があって。もちろん良いPDとの出会いで成長したりするアーティストやバンドもたくさんいますし、そういう作品を聴いたり、こうやって書く事が本当に大好きなんですけど。

でもごくたまに、そういう私の聴き方を根底から覆されるようなアーティストやバンドの作品って登場するんです。そして、それに出会えた時の喜びは何物にも代えがたいんです!今回のGEESEなら

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前作の「3D country」は、私が昨年にベストPDに選んだ、今やイギリスのロック界の重鎮とまで言えるところまできたPD、James Fordなんです。彼が携わっていた作品で、良くないさくひんはないと言ってもいいくらいだと思うのですが(笑)。今作もとてもいいアルバムなんです。

でも、繰り返しになっちゃうかもですが、「Getting Killed」はなんかもう違うんですよね。「ステージというか次元が違う」というか。自分の語彙力の無さが恨めしいですが、これはPDの変更だけでは無く、GEESEのバンドメンバー全員、そしてCameron Winterの覚醒が無ければできなかったことだと思います。そこに

気づけなかったー!!!

「この企画破綻!?」とまでヒヤヒヤしますが(笑)、それをも超える喜びをくれたGEESEに感謝を込めて、ここで私の2025年ベストPD候補に選出したいと思います!

というわけで、私が昨年「ええ仕事したな〜」と思ったPDについてまた思いっきり語ってきましたが、年間最優秀PDは・・・、

Tony Berg

孫ほどの年齢Sombrとの素晴らしい曲作りで、昨年から今に至るまでヒットし続けるアルバムをリリースしたTony Bergを選びたいと思います!年齢なんて、クリエイティブの前では本当に本当に関係ないですね!私も学ばせてもらいました!!素晴らしいアルバムをありがとうございます!

というわけで、来年はどんなPDがどんな音楽を聴かせてくれるのか、楽しみにしています!

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